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亡くなる時こそ

自分に正直でいて欲しい

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行政書士法人 福岡中央法務

     代表社員 野添英俊

行政書士になって3年ほど経った頃に担当したAさん(仮名)

子供も兄弟もいなくて身寄りのないいわゆる「おひとりさま」の方からの遺言書作成依頼がきっかけでした。

末期がんだったため、亡くなった後の病院への支払いやお葬式の事などが心配でご相談を受けたところから始まりました。

Aさんと話しているうちに本が好きで家には沢山の本があることを知り、本を寄付することを決めました。

同時に、病院の治療費や介護施設の利用料・葬儀代などを支払った後に残るお金の寄付先も​Aさんはお世話になった地元に寄付することにしました。

しかし、寄付をするとなると寄付の受け入れ先との交渉や寄付を受け入れるための準備などなど一筋縄ではいかず、Aさんの思い通りの所に寄付する事はできませんでした。

​その時に、亡くなっていく方の想いを叶えるためにはもっと勉強してなくてはいけないと思ったのと同時に、早いうちから準備するということがなぜ大切なのか?ということが身に染みました

遺言書に亡くなる方の想いや願いを込めて​書類をつくることは当たり前のことで、その遺言書を実現できるように準備をすることがとても大切で大変なことなんだと気づき、それから

「早めに準備をして欲しい」

 

という言葉の重みが変わりました。

医療介護の現場を楽にしてあげたい

私が遺言書作成をするにあたっていつも思っていることです。

依頼者の方の状況確認やお話を聞く際に、お医者さんや看護師さん、介護福祉士さんやソーシャルワーカーさんとお話することがあります。

多くのスタッフの方が献身的にお仕事をされているのですが、遺言書が無かったり亡くなるための準備ができていないことで、本来のお仕事ではない事が「誰もする人がいないから」という理由でその場に居合わせたスタッフが慣れていない作業を役所などに問い合わせながらするという事態に陥っていました。

また、施設や病院などへの支払いができないなどの事例もあるようでした。

Aさんの場合は私が事前に準備ができたため病院や施設スタッフの方たちにも迷惑をかけることが無いように準備ができたため、Aさんは私に「安心して逝ける」と言って下さいました。

このAさんとの出会いを経て、私は亡くなる方はもちろん依頼者に関わってくれた多くの方のために仕事をすることに全力を注ごうと決意し、それ以降の遺言書作成の依頼を受ける時はその依頼が終わるまで

「この都合は自分の仕事を楽にするためなのか?

 依頼者本人のためなのか?」

を自分に問いかけながら仕事をするようにしています。

​​準備をされるご本人も、サポートする家族や周囲の方も関わる全ての人が笑顔になれるような仕事を心がけています。

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